親御さんへ



自分を御座なりにして子供だけ変わって、不登校やひきこもりから脱出して欲しいと思っていませんか? 

不登校は子供が悪い、同級生が悪い、学校が悪い、担任の教師が悪い、と思っていませんか?

世の中で一番あらゆる影響を子供は親から受けています。



親が悪いから子供がこうなった、という意味で書いているのではありません。

でも、子供に変わって欲しいと思う心に、どこか一方的なものはないのかな、ということです。

一番の問題の責任者は子供本人です。

子供本人がやらなければ、なんにも始まりません。

それこそ岩波先生に相談をすることだって、子供がやる気を見せないと効果があがりませんから。



不登校は親の責任というわけではありません。

もともとの原因は学校でのトラブルや友達関係、いじめを含むクラスメートとのトラブルが多かったりします。

だけど、親はそういう難題に直面して抱えきれない問題を抱えている子供を知らず知らず追い詰めてしまっています。



誰もがなりたくて不登校になっているわけではなくて、もう瀬戸際に追い詰められて、苦渋の選択で不登校になり、家に閉じこもらざるを得なくなっています。

つまり、相当の自信喪失に子供はなってしまっているのです。

その子供に(それでも無理してがんばろうとしている)子供に、悪気はなくまたまったくその気はないとはいえ、追い詰めて、さらなる精神的抑圧を与えてしまって、ついには子供は逃げ場もなくなって、自分の殻という最後の逃げ場所に飛び込んでいきます。



そうなると、親から見ると、子供のただの我侭、甘え、としか映らないでしょう。

そうじゃなくて、そうならざるを得なかった上での、子供の防衛手段なんです!



実は言葉に出す出さない関わらず、子供は親に失望感を持ってしまっています。

その親に「変われ」と暗に意味されても、納得できません。

それでは自らの足で立ち上がろうという気力も削いでしまいます。



ですので、子供に変われと言う前に、親御さん自身が変わる意志を持たなくてはいけません。

それまでの親の態度があるからこそ、ますます問題が悪化してきた、この事実を重く受け止めて、これからは親自身が変わることを見せることで、または子供が感じることで、はじめて、子供も「変わらなくちゃ、なんとかしなくちゃ」と思い始めるのです。



僕の経験上、不登校の子供は重度の社会不安障害、学校恐怖症を除き、親が変わることで、はじめて子供も克服に向けて動き出し、社会に戻っていっています。

しかし、一方的な要求だと、ずっと親が死ぬまで、いや死んでからも逃げ続ける人生になってしまうでしょう。



本当に親が変化すると、子供の態度にも驚くべき変化が起きるはずです。

親もそのためにはぎりぎりの精神状態ではいけないと思います。

親が余裕があってどっしり構えているからこそ、子供は安心して歩み出せるんです。